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秒針と時針のように
第8章 おまけ
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汗とか色々気になるからと言う忍を風呂場に連れてきて、無理矢理服を脱がせる。
シャツや下着は浴槽に投げ捨て、蛇口を捻って温水を出す。
「て、めえなあ!」
「どうせシャワるんだから二人でいーじゃん」
頭から濡れた忍が、髪の隙間から睨んだ。
うわもう……えろすぎ。
温泉とか、そういうんじゃない。
そういうとこで見た裸体と違って、こんな、狭いオレの浴室で。
「俺から洗うからどうにかしてろ」
「どうにかって」
「てめえのだよっ」
そう言えば、処理してなかった。
よく歩いてこれたな、オレ。
シャンプーを泡立てる華奢な後ろ姿。
こんな……目の前におかずが。
口を押さえて浴槽に腰掛ける。
無理。
絶対に無理。
「忍」
「ん?」
泡が入らないよう目を瞑ったまま忍が振り返る。
その腕を引き寄せて、膝に乗せる。
「ちょっ、てめ!?」
腰に、当たってる。
つか当ててる。
「暴れんな。滑るから危ない」
「ばっか、てめ! 変態野郎が」
目に泡が入っても構わず血走った目で威圧してくる忍に鳥肌が立つ。
うなじにキスを落として、忍の腰を押さえてから自分のそれを手で包んだ。
先端を当てたまま。
擦り付けるように。
「いっ、……きも、ちわる」
泡まみれの手で阻止しようとしてくるが、背面までは届かないらしく、ただ感触に堪えてびくびくしてる。
「や、べ」
さっきの快感が波寄せて来たとき、震える手でシャワーノズルを掴んだ忍からの攻撃が始まった。
冷水で。
「っつめて!」
すぐに立ち上がって壁際に逃げた忍から、容赦なく水をかけられる。
「萎えろ! 萎えてしまえ!」
浴槽に避難しようとしたが、構わず手を伸ばしてシャワーを奪う。
ダン、と壁に拳を突いて怒鳴った。
「これは! やっちゃ駄目なヤツ!」
反響した声にハッとする。
怯えた目で見上げる忍の頬に触れた。
「……オレもか」
「て、てめえもだ」
床とベッドに倒れ、お互い深く息を吐く。
「マジ疲れた」
「てめえのせいでな」
タオルで頭を包んだ忍が手探りで携帯を取る。
それから頬杖をついて、弄り始めた。
濡れた髪が一房耳許に揺れる。
こんな単純なことにすらムラってくるオレのバカさ加減には我ながら呆れる。
でも可愛いんだもん。
仕方ねえし。
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