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瑠璃色
第5章 決断
パタンッ
奥の会議室、にこやかな顔をした杉本さんが席に着く
と、身を乗り出し
「どうした?何かあったのか?」
サッ…
「突然で申し訳ありません…これを、お願いします」
「…?どういう事?この前確認した時は、来年度も
頑張ってくれるって、言ってたよな?どうした、何が
あった?…んっ?」
「勝手だとは重々承知しています。本当に申し訳あり
ません…どうか、よろしくお願いします。」
「理由はなんだ?それがわからないと、どうにも出来
ないよ?」
「理由は…すみません、一身上の都合で…」
「ここを辞めてどうするんだ?」
「地元に…帰ろうかと思っています。」
「で、いつ辞めたいんだ?」
「出来れば、少しでも早くがいいです」
「ん-…今からが本当に忙しくて大変になるんだ…
三月まではやってもらいたいんだけどなぁ…」
「そうですよね、勝手ばかり言って、本当に申し訳
ありません。それと…この事は、誰にも言わないで
もらえませんか?」
「誰にもって…森山と淵上だろ?言ってないのか?」
「…はいっ…」
「取敢えず、これは預かるだけにしとくよ!
俺は、川崎の仕事ぶりを見てて、この仕事合ってる
と思ってたんだぞ!
生徒たちからも、お前は信頼されてる…何かあるなら
相談してくれないか?森山と淵上だって心配するぞ」
「もう、迷惑掛けたくないので…すみません、よろし
くお願いします」
「まだ話したいんだが、時間なくて悪いな…
もう、授業が始まるから、今は一旦席に戻ろう。
また、ゆっくり話そう…なっ!」