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瑠璃色
第9章 光が消えた時
「瑠璃さーん…聞いてくださいよー」
「ん?由季子ちゃん、どうしたの?」
傍に来ると密着し、小声で耳打ちしてくる。
「実はこの前、直人君と飲みに行ったんですけど…
直人君、彼女がいるみたいで」
ズキン…えっ?…飲み?…
「へー…飲みは二人で行ったの?」
「もちろん、二人です!私…直人君が好きなんですよ
ね~…ちょっと、探りを入れてみようと思って聞いて
みたら、彼女がいるって。
瑠璃さん、どう思います~?」
「えっ?どう思うって?」
「私…その彼女から、直人君奪ってもいいですかね~
クスクスッ…」
「イヤッ、私に聞かれても…だけど、彼女が可哀想
じゃないの?」
「えー…だけど直人君、なかなか会えないって、愚痴
ってたし…」
「仕事が忙しくてって事だよね?落ち着けば、時間も
出来て、会うんじゃない?」
「でも私、諦めません!また、飲みに行く約束したし
フフフッ… 私、頑張りますね!!」
へー…約束、したんだ…
っていうか…飲みに、行ったんだ…しかも、二人で…
何も言ってくれなかったな…
直人さん、会えない分、メールはよく送ってくれる。
飲みの事、教えてくれてもいいのに…