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瑠璃色
第9章 光が消えた時
休み明け、出勤するのも足がすんなり前に出ない。
ハーッ…仕事、頑張らなきゃいけないのに…
歩いてる後ろから、タッタッタッタッ…走って来る音
「よっ、川崎!!」
「あっ…お疲れ!」
「おっ、お前…どうした?」
「え?どうしたって?」
「お前、顔色悪いぞ!何があった?」
「えっ?何もないよ! クスクスッ…」
「取り敢えず、今日終わったら、飯食いに行こう!
なっ!!」
「ありがとう…でも、ゴメン…終わったら家に帰って
ゆっくり寝たいんだ…
ねぇ淵上、お願いがあるの…この事、直人さんには
言わないで!お願い…私は大丈夫だから…」
会社は、まだそんなに来てないな…
今のうち、チークや口紅で顔色を誤魔化そう。
これでも、結構塗ってきたつもりだったのに…
淵上ってよく気が付く…怖いよ。
どうにか、誰にも気付かれる事なく仕事も終わり…
よかった、これで安心。
直人さんは、ずっと杉本さんと一緒で、やっぱり忙し
そう…目が合えば、笑ってくれる。
だけど…
私の心が問い掛けるの。
その笑顔は、ホンモノ?…それとも、ニセモノ?