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瑠璃色
第10章 愛の救世主
「瑠璃さーん…髪、可愛いですね!何か、あったんで
すか?」
「あっ、由季子ちゃん…何か?って…
んー、別にないかな…クスクスッ 気分転換!って感じ?
それより由季子ちゃん、上手くいってよかったね!
頑張ってね!!」
そろそろ授業がスタート。
教室へ向かおうと、歩き出した私のところに足早で
近付く人…
「今日、終わったら話したい事があるんだ…」
直人さんの真剣な顔。
そんな直人さんに私は、これ以上ないって位の笑顔を
向けて言うの…
「私も…話したい事があります」
初めて来た喫茶店…二人、向かい合って座ってる。
長い沈黙の中、直人さんが、口を開く…
「俺ん家から、瑠璃の荷物が、全部無くなったんだけ
ど…どうして?」
「…どうして?…クスクスッ…たぶん、それは一番願って
た事だと思います」
「えっ?意味が分かんないんだけど…」
「もう、大丈夫ですよ。私、わかってますから…
私と別れたがってた事も…。
今日は、誕生日ですよね?喜ぶ物をと思って…カサカサッ
だから、これ、お返しします…カタッ、カタッ…ずっと
持っててすみませんでした。
私の物、全て持って出たと思いますけど、もし万が一
何か残ってたら、もう、捨ててください。
よろしくお願いします」
「瑠璃、ちょっと待って…俺の話し…」
「お二人、お疲れ様です!!」
「あっ、由季子ちゃん…」
「外から中にいる二人が見えたので、来ちゃいました
…何か、私…お邪魔でした…よね?すみません…」