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Gemini
第10章 20cm
全員食事を食べ終わって、ドリンクバーを飲みながらまったりと話をしていた。
「あー、何の為にこんな勉強してるんだろ」
凛が嘆いてるのを聞いて、すかさずヒロが答えた。
「夢のため、じゃないの?」
「夢ねぇ…」
私も凛もまだ将来のことまで考えられない。
「いいよ、りんりん。勉強なんかしないでも、嫁にくれば!結婚しよう!!」
「いや…ごめん。大学は行く。」
きっとふたりの間で何度もそのやりとりがされてきたんだろうけど、私は結婚って言葉にドキッとした。確かに、高校卒業してすぐに結婚するような人もいるんだろう。でも、2年後に結婚…想像もできない。
「ヒロは、卒業したらどうするの?」
到底勉強してそうにないヒロに、率直な質問をぶつけてしまった。
「俺?整備士」
「整備?車とか?」
「うん、そう。子供んときからずっとそれ。」
意外だった。何も考えてないと思ってた…とは、口が裂けても言えないけど。
「和樹は?」
「家の店継ぐ感じ」
「え?お店?何やってるの?」
「美容院」
「バーバー奈良橋!」
「そんなダセー名前じゃねえっつーの」
和樹が美容師…
確かにそんな雰囲気、無いわけじゃない。
「じゃあ、美容師の専門学校に行くの?」
「そう。」
こんなにハッキリと先のことを見据えてるふたりと、ぼんやりとも見えてない私たち。なんて差だ。
「あのさ…」
和樹が私の方に体を向けて、改まった楊子で話しかけてきた。
「嫌じゃなかったら…髪を…トリートメントとか、やらせてくんね?」
「和樹がするの?」
「もちろんタダで。うちの店でさ。」
「いいの?」
「ブローとか、俺じゃ嫌だったら、かーちゃんにやらせるし…」
「いいよ。和樹にしてもらう。」
「あー、何の為にこんな勉強してるんだろ」
凛が嘆いてるのを聞いて、すかさずヒロが答えた。
「夢のため、じゃないの?」
「夢ねぇ…」
私も凛もまだ将来のことまで考えられない。
「いいよ、りんりん。勉強なんかしないでも、嫁にくれば!結婚しよう!!」
「いや…ごめん。大学は行く。」
きっとふたりの間で何度もそのやりとりがされてきたんだろうけど、私は結婚って言葉にドキッとした。確かに、高校卒業してすぐに結婚するような人もいるんだろう。でも、2年後に結婚…想像もできない。
「ヒロは、卒業したらどうするの?」
到底勉強してそうにないヒロに、率直な質問をぶつけてしまった。
「俺?整備士」
「整備?車とか?」
「うん、そう。子供んときからずっとそれ。」
意外だった。何も考えてないと思ってた…とは、口が裂けても言えないけど。
「和樹は?」
「家の店継ぐ感じ」
「え?お店?何やってるの?」
「美容院」
「バーバー奈良橋!」
「そんなダセー名前じゃねえっつーの」
和樹が美容師…
確かにそんな雰囲気、無いわけじゃない。
「じゃあ、美容師の専門学校に行くの?」
「そう。」
こんなにハッキリと先のことを見据えてるふたりと、ぼんやりとも見えてない私たち。なんて差だ。
「あのさ…」
和樹が私の方に体を向けて、改まった楊子で話しかけてきた。
「嫌じゃなかったら…髪を…トリートメントとか、やらせてくんね?」
「和樹がするの?」
「もちろんタダで。うちの店でさ。」
「いいの?」
「ブローとか、俺じゃ嫌だったら、かーちゃんにやらせるし…」
「いいよ。和樹にしてもらう。」