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Gemini
第10章 20cm
「トリートメント、つけるね」
「うん、お願いします」
濡れた髪を滑らせるようにして馴染ませていく。
「奏の髪って、きれいだよな」
「そうかな…ほとんど構ってないけど」
「それがいいんじゃね?」
喋りながらもプロみたいに手を動かし続ける和樹。
「和樹みたいな色にもしてみたいな」
「やめとけやめとけ、キャラじゃない」
「えぇー、なにそれー」
ピッと顔に飛んできたのは、トリートメントの雫。
「あ、悪い!ちょっと待ってて」
私は言われた通り目を閉じたまま待つ。
手を洗っている音が聞こえる。それから、ガサガサと拭くものを取り出してるような音。
和樹がまた近づいてきた。
「ごめん、調子乗りすぎた」
ほっぺにタオルが触れる。
「大丈夫大丈夫、気にしないで」
私は、目を閉じたまま答えた。
「……」
和樹は何も言わないまま。
「どうし……?!」
私が口を開いた瞬間、少し濡れた和樹の手が私のほっぺにそっと触れた。
「?」
目を開けるとその温かさはすぐに離れていってしまった。
「もう取れた、ごめんな」
「全然全然」
「このまま蒸らして少し時間置くから」
「分かった」
頭を持ち上げられて、少し熱いタオルを首の下に置かれた。
「ふぁあ、気持ちいい~」
「熱くない?」
「うん、さーいこー」
「ぷぷっ」
目を開けると、お腹をよじって口を抑えて笑いを堪えきれてない和樹がいる。
「なによー」
「眉毛、めっちゃ下がってた」
「だって気持ちよかったんだもん」
「そろそろ流すよ」
横を向いてた顔を真っ直ぐに直されて、またシャワーが当てられた。流すとき、まるでいいこいいこと頭を撫でるみたいにされるのがなんだか心地よかった。
「うん、お願いします」
濡れた髪を滑らせるようにして馴染ませていく。
「奏の髪って、きれいだよな」
「そうかな…ほとんど構ってないけど」
「それがいいんじゃね?」
喋りながらもプロみたいに手を動かし続ける和樹。
「和樹みたいな色にもしてみたいな」
「やめとけやめとけ、キャラじゃない」
「えぇー、なにそれー」
ピッと顔に飛んできたのは、トリートメントの雫。
「あ、悪い!ちょっと待ってて」
私は言われた通り目を閉じたまま待つ。
手を洗っている音が聞こえる。それから、ガサガサと拭くものを取り出してるような音。
和樹がまた近づいてきた。
「ごめん、調子乗りすぎた」
ほっぺにタオルが触れる。
「大丈夫大丈夫、気にしないで」
私は、目を閉じたまま答えた。
「……」
和樹は何も言わないまま。
「どうし……?!」
私が口を開いた瞬間、少し濡れた和樹の手が私のほっぺにそっと触れた。
「?」
目を開けるとその温かさはすぐに離れていってしまった。
「もう取れた、ごめんな」
「全然全然」
「このまま蒸らして少し時間置くから」
「分かった」
頭を持ち上げられて、少し熱いタオルを首の下に置かれた。
「ふぁあ、気持ちいい~」
「熱くない?」
「うん、さーいこー」
「ぷぷっ」
目を開けると、お腹をよじって口を抑えて笑いを堪えきれてない和樹がいる。
「なによー」
「眉毛、めっちゃ下がってた」
「だって気持ちよかったんだもん」
「そろそろ流すよ」
横を向いてた顔を真っ直ぐに直されて、またシャワーが当てられた。流すとき、まるでいいこいいこと頭を撫でるみたいにされるのがなんだか心地よかった。