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Gemini
第10章 20cm
「和樹さぁ、もう普通に上手」
「そうか?」
鏡の前に移動して鏡越しに目が合う。
さっきまでは、ほとんど目を閉じたまま話していたので、新鮮な感じがする。
「じゃ、ドライしていくから」
「お願いします」
和樹のお母さんもお客さんも、いつの間にかいなくなってて、お店には私たちだけだった。
「普段もちゃんと髪乾かしてる?」
「うーん…まぁ、ほとんど」
(ルカに叱られる時以外はね)
家の鏡越しに見るルカの顔を思い出したあと、裸のままベッドの上で寝転んでいたルカを思い出してしまった。
(ルカに髪を乾かしてもらうときは、その後必ず…)
せっせと私の髪を持ち上げながらドライヤーをかけてくれてる和樹をじっと見つめてしまう。
(和樹はどんなキスをするんだろう…。)
きゅっと結ばれた少し薄い唇は、どんな感触なんだろう。
「あのさ…」
手を止めた和樹は、神妙な顔つきで私を見た。
「な、なぁに?」
いやらしい想像をしていたことがバレないようにと、余計に焦ってしまう。
「いとこの人、めっちゃ怒ってたよな?」
「あ…うーん、そんなこと、ないよ」
「今度からちゃんともっと早く帰すから」
「そんな…ごめんね、気にさせちゃって」
髪をセットしてもらってる間に、いとこが双子で大学生であること、母同士も一卵性の双子で、どちらも離婚して同じマンションに住み始めたことなどを説明した。
みるみるうちにいつもよりずっとツヤツヤに仕上がっていく髪。和樹はもう既に美容師さんみたいだった。
「高校卒業したら専門学校行くんでしょ?」
「あぁ、そのつもり。そっちは大学?」
「うん…多分ね」
「まぁ、今はっきりしてなくても、そのうち見つかるんじゃね?」
「そうか?」
鏡の前に移動して鏡越しに目が合う。
さっきまでは、ほとんど目を閉じたまま話していたので、新鮮な感じがする。
「じゃ、ドライしていくから」
「お願いします」
和樹のお母さんもお客さんも、いつの間にかいなくなってて、お店には私たちだけだった。
「普段もちゃんと髪乾かしてる?」
「うーん…まぁ、ほとんど」
(ルカに叱られる時以外はね)
家の鏡越しに見るルカの顔を思い出したあと、裸のままベッドの上で寝転んでいたルカを思い出してしまった。
(ルカに髪を乾かしてもらうときは、その後必ず…)
せっせと私の髪を持ち上げながらドライヤーをかけてくれてる和樹をじっと見つめてしまう。
(和樹はどんなキスをするんだろう…。)
きゅっと結ばれた少し薄い唇は、どんな感触なんだろう。
「あのさ…」
手を止めた和樹は、神妙な顔つきで私を見た。
「な、なぁに?」
いやらしい想像をしていたことがバレないようにと、余計に焦ってしまう。
「いとこの人、めっちゃ怒ってたよな?」
「あ…うーん、そんなこと、ないよ」
「今度からちゃんともっと早く帰すから」
「そんな…ごめんね、気にさせちゃって」
髪をセットしてもらってる間に、いとこが双子で大学生であること、母同士も一卵性の双子で、どちらも離婚して同じマンションに住み始めたことなどを説明した。
みるみるうちにいつもよりずっとツヤツヤに仕上がっていく髪。和樹はもう既に美容師さんみたいだった。
「高校卒業したら専門学校行くんでしょ?」
「あぁ、そのつもり。そっちは大学?」
「うん…多分ね」
「まぁ、今はっきりしてなくても、そのうち見つかるんじゃね?」