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Gemini
第10章 20cm
「ありがと」
「いざとなったら、ウチで働けばいいわよね?」
突然会話に入ってきたお母さん。
「なっ、に言ってんの?!」
「バイトすればいいじゃない?ねぇ?」
「は?ふざけんなっつーの」
あんまり感情を出さない和樹がワタワタしてるのが面白くて、お母さんの冗談にのってしまう。
「いざとなったら、よろしくお願いします」
「おい、も…何言ってんだよ」
「前髪は、もうちょっと短い方が良くない?」
私の傍に立ったお母さんが、クシを当てて見せてくれた。すっかり美容師モードに切り替わってる。
「あ、そうですね。前に切ってから結構経ってるので…」
「一ヶ月くらい?」
「んー…もうちょっとかな?」
「じゃ、伸びた分切る感じでいい?」
「いいんですか?」
「カズ、切らせて貰う?」
「無理無理無理無理」
「身の程知ってるね。よしよし。」
お母さんがそっと前髪を取って、シャッシャッシャッとハサミを動かした。
パラパラと落ちていく髪。
「どうかな?」
「いいんじゃね?」
私が答えるより先に和樹が答えた。
「ありがとうございます。」
「じゃ、セットよろしく。」
お母さんがまた奥へ行ってしまうと、和樹がヘアアイロンとブラシを手に取って私の髪をセットし始めた。
「前髪…いつか切らして」
「うん。もちろん!」
「ここ、巻いてみていい?」
「いいよ。和樹に任せる」
仕上がったのは、いつもより少し大人っぽくなった私。
「悪くない…よな?」
「うん、いい!自分じゃできないよ」
鏡越しに視線が合うと和樹が微笑んでくれた。
何度も髪を整えた。
「よし、完成」
ケープを外してる和樹に聞いてみる。
「私ちゃんと役に立てた?」
「いざとなったら、ウチで働けばいいわよね?」
突然会話に入ってきたお母さん。
「なっ、に言ってんの?!」
「バイトすればいいじゃない?ねぇ?」
「は?ふざけんなっつーの」
あんまり感情を出さない和樹がワタワタしてるのが面白くて、お母さんの冗談にのってしまう。
「いざとなったら、よろしくお願いします」
「おい、も…何言ってんだよ」
「前髪は、もうちょっと短い方が良くない?」
私の傍に立ったお母さんが、クシを当てて見せてくれた。すっかり美容師モードに切り替わってる。
「あ、そうですね。前に切ってから結構経ってるので…」
「一ヶ月くらい?」
「んー…もうちょっとかな?」
「じゃ、伸びた分切る感じでいい?」
「いいんですか?」
「カズ、切らせて貰う?」
「無理無理無理無理」
「身の程知ってるね。よしよし。」
お母さんがそっと前髪を取って、シャッシャッシャッとハサミを動かした。
パラパラと落ちていく髪。
「どうかな?」
「いいんじゃね?」
私が答えるより先に和樹が答えた。
「ありがとうございます。」
「じゃ、セットよろしく。」
お母さんがまた奥へ行ってしまうと、和樹がヘアアイロンとブラシを手に取って私の髪をセットし始めた。
「前髪…いつか切らして」
「うん。もちろん!」
「ここ、巻いてみていい?」
「いいよ。和樹に任せる」
仕上がったのは、いつもより少し大人っぽくなった私。
「悪くない…よな?」
「うん、いい!自分じゃできないよ」
鏡越しに視線が合うと和樹が微笑んでくれた。
何度も髪を整えた。
「よし、完成」
ケープを外してる和樹に聞いてみる。
「私ちゃんと役に立てた?」