この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Gemini
第10章 20cm
「当たり前だろ?よかったらまた…!」
くるんと回った椅子から立ち上がろうとしたとき、すこしよろけて和樹に支えられた。

「ごめん…ありがと」

和樹の腕から手を離そうとしたけど、その上から手を握られた。

強い力。

ドッドッドッと心臓の音が早くなる。


俯いたままの私に、和樹がのぞき込むように顔を近づけようとした。

(キス…するつもり…なの?)

あとは和樹に任せようと目を閉じかけたとき、お店のドアが開いて、新しいお客さんが入ってきた。
「あらカズくん、今から平気かしら?」

「いらっしゃい。ちょっと待ってて。」
あっさり手を離して、レジのカウンターで何かを調べてる。
「大丈夫。すぐ呼んできます。」

立ち尽くす私をよそに、和樹はお母さんを呼びに行ってしまった。

先に戻ってきたのはお母さんだった。
「いらっしゃいませ。どうぞこちらに。」

空いた席に案内してから、私に話しかけてくれた。
「うん、なかなか上手くできてるじゃない?」
「あ、はい。」

「ちょっと時間かけすぎだけどね。懲りずにまた来てくれる?」
「いいんですか?」
「もちろん!ゆっくりお話できなくてごめんなさいね。あ!マドレーヌ、美味しかった!」
「よかった!ありがとうございます」
「じゃ、またね」

お客さんと話し始めたお母さん。明るくて元気で、ママと似てる。

やっと奥から戻ってきた和樹は、Tシャツとジーンズに着替えていた。預けてたバッグを手に取ると、ぶっきらぼうに「行こう」と言って店の外に出ていった。

「奏ちゃん、またねー!」

「お邪魔しましたっ」
お辞儀をしてから、和樹の後を追って外へ出る。

ギラギラな太陽の下、ふたり並んで歩き出した。
/463ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ