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Gemini
第10章 20cm
駅までの道を黙ったまま歩く和樹。
せっかく打ち解けてたのにこうなっちゃったのは、やっぱりさっきのが原因…だよね。
でもそれを今ほじくり返したりはできないし…。
「暑いね…」
「あぁ、暑いな」
やっぱりぎこちない。
でも顔も見れない。
なんとなく、気まずい。
そんな私たちにタッタッタッタッという足音が近づいてきたと思ったら、ドンッと和樹の後ろから誰かがぶつかってきた。
「ビビったー?」
真っ黒に日焼けした男子小学生だった。
「ビビんねーよ!うわっ!髪ビチョビチョ」
その子の頭を腕でがっしりと捕まえて、ニコニコ笑顔になった和樹。
私はそれを見てなんとなくホッとした。
「で、誰?」
その子は私を指さして、和樹に尋ねた。
「カンケーねーだろ?」
「カンケーあるだろー?」
私の方を見たその子の顔を見て、すぐに分かった。きっと和樹の弟だ。目元がそっくり。
「奏。雨宮奏だよ。 」
「かなで?変な名前」
「おい!」
「和樹ー、アイス買ってよー」
「バーカ、買うか」
「彼女の前でケチるなよな、ダセーな」
「トモ、お前、調子にのりすぎ」
和樹が怒ったのを察知したのか、ヤバいって顔をして私に助けを求めてる。
「とりあえず奏に謝れ」
「彼女って言ってごめんなさい」
「そっちじゃねぇ」
「名前、変って言ってごめんなさい」
「いいよそんなの、許してあげて」
「わりー、弟なんだ…」
「うん、知ってた。そっくりだもん。」
「はぁぁ…」
和樹に捕まりながら、トモくんはわざとらしく大きなため息をついた。
「きっとお兄ちゃんみたいにイケメンになるね」
「イケメンだって」
またからかうように囃した弟を、和樹は擽りまくっていた。
せっかく打ち解けてたのにこうなっちゃったのは、やっぱりさっきのが原因…だよね。
でもそれを今ほじくり返したりはできないし…。
「暑いね…」
「あぁ、暑いな」
やっぱりぎこちない。
でも顔も見れない。
なんとなく、気まずい。
そんな私たちにタッタッタッタッという足音が近づいてきたと思ったら、ドンッと和樹の後ろから誰かがぶつかってきた。
「ビビったー?」
真っ黒に日焼けした男子小学生だった。
「ビビんねーよ!うわっ!髪ビチョビチョ」
その子の頭を腕でがっしりと捕まえて、ニコニコ笑顔になった和樹。
私はそれを見てなんとなくホッとした。
「で、誰?」
その子は私を指さして、和樹に尋ねた。
「カンケーねーだろ?」
「カンケーあるだろー?」
私の方を見たその子の顔を見て、すぐに分かった。きっと和樹の弟だ。目元がそっくり。
「奏。雨宮奏だよ。 」
「かなで?変な名前」
「おい!」
「和樹ー、アイス買ってよー」
「バーカ、買うか」
「彼女の前でケチるなよな、ダセーな」
「トモ、お前、調子にのりすぎ」
和樹が怒ったのを察知したのか、ヤバいって顔をして私に助けを求めてる。
「とりあえず奏に謝れ」
「彼女って言ってごめんなさい」
「そっちじゃねぇ」
「名前、変って言ってごめんなさい」
「いいよそんなの、許してあげて」
「わりー、弟なんだ…」
「うん、知ってた。そっくりだもん。」
「はぁぁ…」
和樹に捕まりながら、トモくんはわざとらしく大きなため息をついた。
「きっとお兄ちゃんみたいにイケメンになるね」
「イケメンだって」
またからかうように囃した弟を、和樹は擽りまくっていた。