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Gemini
第10章 20cm
三人でコンビニに入ってアイスを選ぶ。

何するにもじゃれつく友樹くんは、優しいお兄ちゃんが大好きって感じ。

「かなでー」
「お前は奏って呼ぶな」

「かなで、どんくらい泳げる?」
「え?うーん、クロールなら少し…」
「おれ、今日クロール50m合格したし」
「すごい!やったね!」
「合格したの3人だけだったんだ」

友樹くんの向こうで黙ったままアイスを食べてる和樹も、ちょっと笑ってた。

「さっさと帰んねーとかーちゃん心配するぞ」

「待って、これ、かなでに見せてから」

食べ終わったアイスの棒を咥えながら、プールバッグの中から出してくれたのは、水泳帽につける級章だった。
「これに付け替えるんだね、かっこいい!」

「まーね」
無邪気な笑顔。
きっと和樹もこんな笑い方をしてたんだろうな。ついついふたりの顔を見比べちゃう。

「おれが居るときウチ来たら、もっといいもの見せてやるよ」
「ホントに?楽しみだなぁー」

「ほら。もう帰れってー」

「はいはい。かなで、またね」
走り出したらあっという間に遠くまで行っちゃった、かわいい友樹くん。

「ごめんな、生意気で」
「全然。いいなぁ弟。超かわいい!」

「でもまじで、また来いよ。髪だけじゃなくて」
「ありがと」

友樹くんがいなくなった分少し近づいたとはいえ、絶対に触れることはない距離。

美容院で私の髪に優しく触れた和樹の手を見る。
もう少しで触れてしまいそうだった唇にも、つい視線がいってしまう。


和樹の好意には気づいてる。でも自分の気持ちが分からなすぎて、自分からは動くことができない。

20cm以上近づけない私たちは、焦れることしかできずに歩く。まだ明るいからと和樹の送りを断って、一人で電車に乗った。
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