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Gemini
第12章 夏が始まる
悠木さんと別れ、家に着いてシャワーを浴びる。

凛や華乃に言われたことを思い出して、水滴だらけの体を鏡でまじまじと見てみた。

(確かに少し胸が大きくなったような気がしないでもないけど…)

伸ばされた舌に乳首が触れる場面がフラッシュバックした。美しくて妖艶な瞳を光らせながら舌先で弾いたのはどっち…?


その感触を思い出しただけで内ももにグッと力が入る。うっすらとあの甘く痺れる感覚までもが蘇った。



夜まで一人のこの家に、いとこのどちらかが遊びに来ないかな?
…胸の中がざわざわしてしまう。

部屋着を着ていればいいものを、なぜだかキャミワンピに着替えてしまった。

リビングで冷たい水を飲んでいると、インターフォンが鳴った。
(!!)

心が躍る。

ノア?ううん…ルカかな?

モニターを見てみるとどちらでも無かった。
[回覧板、持ってきましたー]

何軒か隣の小学生の仲良し姉弟が映っていた。

「今行くねー」
ドアを開けると募金の回覧板だった。

「どうもありがとう。毎日暑いねっ!」

「ねぇ、お姉ちゃんはまだ夏休みじゃないの?」
「ん??」
弟くんの唐突な質問にハテナが浮かぶ。

「あっ、えっと、昨日も制服でいたのを見たからだと思います。」

「そういうことか!えっとねー、夏休みなんだけど、学校にお勉強しに行ってたの。」
「うげー、最悪ー」

「りっくん!そういうこと言わないの!」

「あはは、いいよいいよ。最悪だもんね?二人とも学校の宿題は順調?」

「うーん…」

「お姉ちゃん、感想文やりたくないんだって」
「もう!りっくん!!」

「分かる分かる!お姉ちゃんも嫌だったなー」

「すみません…失礼します」
「どうもありがとね」
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