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Gemini
第13章 花火大会の夜
音楽に合わせて次々と咲く花火に、夜空が明るくなる。
(きれー…)
(和樹も見てるかな…)
顔の向きは変えずに目だけを動かして左を見ると、花火に照らされた和樹の顔がこっちを向いていた。
「え?!」
思わず和樹の方に顔を向けてしまう。
(あっ!!やばいっ)
完全に視線が重なった。
恥ずかしくなって、一瞬でまた空に目線を戻してみる。
ドッドッドッ…
心臓が痛いくらいだ。
(な、な、なんで、こっち…💦)
いたたまれなくなって、少し体を起こすために地面についていた手の位置をずらす。
…と、和樹の指に触れてしまった。
小指と小指が僅かに重なった。
パッとどかして、別の位置に手をつく。
ドッドッドッ…
花火の音よりも大きく聞こえる自分の鼓動
もう空の方しか向けない。
ドドーンッ
大きな音を響かせて、連続で花火が上がった。
「ひゃっ」
和樹の指が私の指に触れた。
(これって…)
考える間もなく、私の小指と薬指に和樹の指が絡まった。
今度は手を引くことはできない。
嫌な訳じゃないし…
ただ恥ずかしくてたまらないだけ。
(汗ばんでないかな…)
(ドキドキが伝わらないかな…)
いろんな思いが頭を支配して、花火のきれいさなんて入ってこなかった。
「あぁー、すごかった」
「思ったよりも迫力あったね」
振り返った凛とヒロに話しかけられると、指先が離れていった。
「あ…、うん!」
「この場所、サイコーじゃなかった?」
「そ…だね、うん!」
周りの人たちが立ち上がって片付けを始めたので、私たちも立ち上がる。
「おっと…」
少しよろけた私を和樹が支えてくれた。
「ごっ、ごめっ…ありがと」
「おお」
思わず掴んでしまった和樹の手首からパッと手を離す。
さっきまでの指の感触がフラッシュバックする。
(きれー…)
(和樹も見てるかな…)
顔の向きは変えずに目だけを動かして左を見ると、花火に照らされた和樹の顔がこっちを向いていた。
「え?!」
思わず和樹の方に顔を向けてしまう。
(あっ!!やばいっ)
完全に視線が重なった。
恥ずかしくなって、一瞬でまた空に目線を戻してみる。
ドッドッドッ…
心臓が痛いくらいだ。
(な、な、なんで、こっち…💦)
いたたまれなくなって、少し体を起こすために地面についていた手の位置をずらす。
…と、和樹の指に触れてしまった。
小指と小指が僅かに重なった。
パッとどかして、別の位置に手をつく。
ドッドッドッ…
花火の音よりも大きく聞こえる自分の鼓動
もう空の方しか向けない。
ドドーンッ
大きな音を響かせて、連続で花火が上がった。
「ひゃっ」
和樹の指が私の指に触れた。
(これって…)
考える間もなく、私の小指と薬指に和樹の指が絡まった。
今度は手を引くことはできない。
嫌な訳じゃないし…
ただ恥ずかしくてたまらないだけ。
(汗ばんでないかな…)
(ドキドキが伝わらないかな…)
いろんな思いが頭を支配して、花火のきれいさなんて入ってこなかった。
「あぁー、すごかった」
「思ったよりも迫力あったね」
振り返った凛とヒロに話しかけられると、指先が離れていった。
「あ…、うん!」
「この場所、サイコーじゃなかった?」
「そ…だね、うん!」
周りの人たちが立ち上がって片付けを始めたので、私たちも立ち上がる。
「おっと…」
少しよろけた私を和樹が支えてくれた。
「ごっ、ごめっ…ありがと」
「おお」
思わず掴んでしまった和樹の手首からパッと手を離す。
さっきまでの指の感触がフラッシュバックする。