この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Gemini
第13章 花火大会の夜
音楽に合わせて次々と咲く花火に、夜空が明るくなる。

(きれー…)

(和樹も見てるかな…)

顔の向きは変えずに目だけを動かして左を見ると、花火に照らされた和樹の顔がこっちを向いていた。
「え?!」

思わず和樹の方に顔を向けてしまう。
(あっ!!やばいっ)

完全に視線が重なった。
恥ずかしくなって、一瞬でまた空に目線を戻してみる。

ドッドッドッ…
心臓が痛いくらいだ。
(な、な、なんで、こっち…💦)

いたたまれなくなって、少し体を起こすために地面についていた手の位置をずらす。

…と、和樹の指に触れてしまった。
小指と小指が僅かに重なった。


パッとどかして、別の位置に手をつく。

ドッドッドッ…
花火の音よりも大きく聞こえる自分の鼓動

もう空の方しか向けない。


ドドーンッ
大きな音を響かせて、連続で花火が上がった。

「ひゃっ」

和樹の指が私の指に触れた。
(これって…)
考える間もなく、私の小指と薬指に和樹の指が絡まった。

今度は手を引くことはできない。
嫌な訳じゃないし…

ただ恥ずかしくてたまらないだけ。


(汗ばんでないかな…)

(ドキドキが伝わらないかな…)

いろんな思いが頭を支配して、花火のきれいさなんて入ってこなかった。


「あぁー、すごかった」

「思ったよりも迫力あったね」
振り返った凛とヒロに話しかけられると、指先が離れていった。

「あ…、うん!」

「この場所、サイコーじゃなかった?」

「そ…だね、うん!」

周りの人たちが立ち上がって片付けを始めたので、私たちも立ち上がる。

「おっと…」
少しよろけた私を和樹が支えてくれた。

「ごっ、ごめっ…ありがと」
「おお」
思わず掴んでしまった和樹の手首からパッと手を離す。

さっきまでの指の感触がフラッシュバックする。
/463ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ