この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Gemini
第13章 花火大会の夜
「よしっ!ヒロ、綿あめ買いに行こ!」
凛がヒロの腕を掴んだ。

「奏ちゃんはどうする?」

「奏はいらないって!」
私が返事をするより早く、凛が答えた。

「えっ?あ……えっ…?」
「じゃ、行こう!ヒロ」

「どこで合流?」
凛に引っ張られてるヒロに和樹が尋ねた。

「今日はもうここで解散ー!」
「え?解散って…凛?!」

「夏の思い出、作ろうね♡」
周りの人にも聞こえる声でそう言うと、かわいい笑顔で去っていった。

「はぁー、そーゆーこと?」
和樹は凛の意図が理解したみたいだ。

「ちょっと待ってよ」
私の声なんて無視してどんどん人混みに消えていく二人。和樹を振り返ると、ポリポリと頭をかいてる。

(まいったな…って顔してる)

(どうしよう…)
考えている隙に、私と和樹の間を花火帰りの人たちが通っていく。

「あっ…和樹…」
一瞬で姿が消えてしまった。

(うそ…)

流れ続ける人混みの中で立ち尽くす訳にも行かず、何となくその流れに流されて歩き出した。

スマホを取り出そうとするにも立ち止まれる場所もない。

心細くなってキョロキョロしながら歩いている私の腕を掴んだのは、和樹だった。
「とりあえず、あっち行こ」

はい、と差し出された和樹の手を考えるより先に握る。手を引かれるままに屋台のあるエリアに抜けることができた。

手が少し汗ばんでる気がして、気が気じゃない。

「なんか食う?」
立ち止まり、自然と繋いでいた手が離れた。

とはいえ、近くに見える屋台には行列ができている。

「ううん、いいや」
胸のあたりがモヤモヤする。

「もう帰る?」
和樹がそう言うなら…と、顔も見れずに頷いた。


「混んでるし、少し時間潰してから駅行こう」
「うん…」

なんとなく人の波を避けて歩くと、河原が見えてきた。
/463ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ