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Gemini
第3章 悪戯な笑み
言い終わらないうちに唇が塞がれた。

ルカの唇は一瞬触れただけで、ほっぺに移動した。

「ちょっと!ルカっ…」

今度はノアの唇が重なってきた。

「カナデ……Chérie…」
ノアのキスは深くて、ぎゅっと握られた指先まで痺れるくらいのドキドキを感じた。

髪が耳にかけられると、頭からつま先までビビッと電気が流れたみたいな感覚走った。ルカが耳たぶを唇で挟んだからだ。

「っぁあっ…」
ノアの口の中に声を出してしまう。

ノアは構わず舌を絡ませ続けるし、ルカも気にせず耳たぶを唇で刺激し続けていた。

ルカの舌が耳を舐め始めると、ノアの舌と絡んでいた私の舌は何も動けなくなってしまった。

「んんっ…ぁあ…ん…」

ルカの舌はどんどん大胆に耳を舐め始めて、そのチュブ…チュブ…という音が頭の中に直接響いてくる。

疎かになっていた私の口の中からジュッ…と大きな音をたてて唾液を吸ったノアは、指先で反対の耳を触りはじめた。

「ぁぁ…んぁあっ…」
塞いでくれていたノアの唇がなくなってしまって、私の声は大きく部屋の中に響いてしまった。

「カナデ、耳…好きなの?」

ルカの舌が耳の中に入っていて、満足に働かない頭を頑張って回転させる。

「ぇ…?…んっ……」

ノアの唇も頬を伝って耳に移動していった。それだけで体がビクッと反応してしまう。

繋がれたままの手はそれぞれ、ノアとルカの手を強く握り返していた。

「はっ…ぅん……んぁっ…ふん……」

両耳を二人の舌が舐めているだけなのに、体全体がじっとしていられない。

モゾモゾと勝手に足が蠢いてしまう。

「変な声…出ちゃうから…」
そう言って止めてもらおうとした。

「変じゃないよ、かわいいよ」

「もっと聞きたい」

両耳に直接囁かれて、私はもう目も開けていられなかった。
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