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Gemini
第14章 期待する体
向こうの方から乗務員の人がワゴンを引きながら近づいてきた。二人はギリギリまでブランケットの中に手を入れたままだったけど、さすがに引いてくれた。

落ち着かないまま、りんごジュースを受け取って、テーブルの窪みに合わせる。

何事もなかったような顔してる二人に向かって「もぉっ!」と怒った顔を見せるけど、まったく効き目はなさそう。
通路の向こうの大人は二人とも眠っていた。


そしてまた…

二人の手がブランケットの中に入ってくる。
でも、カリカリという刺激だけじゃ、いつまでたっても天国までは行けない。

もっと強くして欲しくて…
もっと早くして欲しくて…

足が勝手に開いてしまう。


それなのに意地悪なふたりは、交代しながらずっとそれを続けた。
まもなく空港に着陸するというアナウンスが聞こえるまで、ずっと。


飛行機の高度が下がってるのが分かる。
ふたりの手は私から離れてしまった。

(こんなの…ひどいよ)

パンツはヒヤッとしている。
どれだけ濡れてるんだろう。

もう頭の中だけじゃなく、つま先まで全部がエッチなことしか考えられなくなっていた。

座席から立ち上がるとき、ルカの手が背中を支えてくれた。ただそれだけで、ジュクンとクリトリスが疼く。

(ねぇ、今すぐ…)
キレイな灰色のルカの目を意味ありげに見つめてしまう。

「大丈夫?」
しれっとした態度のノアに促され、出口へと向かう。

頭が働いてない…。
ぐるぐると回ってるたくさんのスーツケースをぽーっと見ている。

「とりあえずホテルに荷物をおいてから…」

「奏?」
ママに呼ばれて我に返る。
「具合悪い?熱っぽい?」
おでこに手を当てられる。

「少しホテルで休む?」
つーちゃんも心配そうに見てくる。
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