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Gemini
第14章 期待する体
小さな火花がパッと上がって、甘く散っていく。
ルカの肩を掴んでいた指先から力が抜けた。

頭を両手で抱えられ、半開きだった口の中にルカの熱い舌がヌルンと入ってきた。
「イケた?」

「ん……っけた」

「もっとイキたい?」

「んっふ……きた…っんん」
ルカの好きなように口の中を掻き回されて、しゃべりようがない。

「オレとセックスしたいの?」

一瞬の躊躇
(……した…いのかな?)

その躊躇をルカが感じ取ったのか、すぐそこにあった熱い体が離れてしまった。



「よし。とりあえず、那覇観光するか」
私を自分の上からどかして、立ち上がった。


振り返ったルカはいつもどおりの笑顔。
(気まずいのは私だけ?)

「15分後、迎えに来るよ」
「う、うん…」
背中を向けたまま手を振って部屋から出ていった。



(怒った?ううん、怒ってはいなかった)


立ちつくしたままあれこれと考えてみるけど、何も分からないまま。

とりあえず下着だけは取り替えて、出かける準備をする。日焼け止めを塗り直していたところにノックが聞こえた。


「ちょっと早かったけど平気?」
今度はノアだった。
「ルカもすぐ来るよ」


「たまちゃんには俺からLINE送っておくよ」

体調が戻ったからホテルを出るというノアからのメッセージに、[よろしくお願いします]のスタンプがママから帰ってきた。


[夕飯も3人で大丈夫そう?]
今度はつーちゃんからグループLINEにメッセージが届く。

[平気だよ!元気になったー]
ニコニコマーク付きで、私が返事をした。

[酔っ払い二人が たまちゃん部屋に寝れば?]
という、ルカのコメントを見て、思わずノアの方に振り返ってしまった。

[その方がよく寝れるかもね、お互いに]
ノアのメッセージもそれに続いた。
私が読んでいるのをノアがじっと見ていた。
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