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Gemini
第4章 フラッシュバック
「苦し…ってばぁ」
ルカを押しのけようと腕に力を込めると、簡単に掴まれてしまった。左手を壁に押し付けられた状態でルカの顔を見上げると、真面目な顔をしたルカの顔が近づいてきた。
「嫌だ…」
背けた私の顔をルカの手が強引に自分に向ける。そして、近づくルカの唇。
ルカの手をどかそうと懸命に掴んでいた私の右手からは、いつの間にか力が抜けていた。私の口の中を動き回る舌に意識を奪われてしまったから。
ルカの舌は強引に入ってきたはずなのに、じれったい程にゆっくりと私の舌を撫でている。
膝からも力が抜けかけて、押し付けられていたはずの左手も、気づいた時にはルカの指と絡み合っていた。ヘナヘナと腰から下の力が抜けて崩れ落ちてしまうのを、ルカに縋りつくようにしてなんとか堪えているような状態。
徐々に口元の感覚も曖昧になって、私はただ口を開けてルカの舌を追いかけて吸いつくことだけしか頭になかった。温かくぬめるルカの舌に触れるとなぜだかゾクゾクと鳥肌が立つような変な感覚が全身を覆った。
体の内側を全て掻き回されているような…。
目を閉じてその感覚をもっと味わいたい。
そう思った矢先、ルカの舌が私から去った。
「なに泣きそうな顔してんだよ」
(え…?私…泣きそうな顔してるの?)
目を開けてルカの顔を見る。
瞬きした瞬間、ポロッと涙が一粒零れた。
「…ごめん…」
ルカは繋いでいた手を離し、眉のあたりをポリポリと掻きながら謝罪の言葉を口にした。
(違う…これ……違うの…)
とは言え、何て言ったら伝わるのか分からなくて、言葉が出てこなかった。ルカは黙ったまま体を離して、洗面所から出ていってしまった。
ルカを押しのけようと腕に力を込めると、簡単に掴まれてしまった。左手を壁に押し付けられた状態でルカの顔を見上げると、真面目な顔をしたルカの顔が近づいてきた。
「嫌だ…」
背けた私の顔をルカの手が強引に自分に向ける。そして、近づくルカの唇。
ルカの手をどかそうと懸命に掴んでいた私の右手からは、いつの間にか力が抜けていた。私の口の中を動き回る舌に意識を奪われてしまったから。
ルカの舌は強引に入ってきたはずなのに、じれったい程にゆっくりと私の舌を撫でている。
膝からも力が抜けかけて、押し付けられていたはずの左手も、気づいた時にはルカの指と絡み合っていた。ヘナヘナと腰から下の力が抜けて崩れ落ちてしまうのを、ルカに縋りつくようにしてなんとか堪えているような状態。
徐々に口元の感覚も曖昧になって、私はただ口を開けてルカの舌を追いかけて吸いつくことだけしか頭になかった。温かくぬめるルカの舌に触れるとなぜだかゾクゾクと鳥肌が立つような変な感覚が全身を覆った。
体の内側を全て掻き回されているような…。
目を閉じてその感覚をもっと味わいたい。
そう思った矢先、ルカの舌が私から去った。
「なに泣きそうな顔してんだよ」
(え…?私…泣きそうな顔してるの?)
目を開けてルカの顔を見る。
瞬きした瞬間、ポロッと涙が一粒零れた。
「…ごめん…」
ルカは繋いでいた手を離し、眉のあたりをポリポリと掻きながら謝罪の言葉を口にした。
(違う…これ……違うの…)
とは言え、何て言ったら伝わるのか分からなくて、言葉が出てこなかった。ルカは黙ったまま体を離して、洗面所から出ていってしまった。