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Gemini
第20章 海鳴り
気持ちがいいと言いきれないのは、クリトリスの快感のすぐそばに鈍痛がまとわりついているせい。

それでも、一日中刺激に飢えていた私のクリトリスは一段一段着実に階段を上る。一瞬だけ目を開けると、ノアは観察するみたいにじっと私を見ていた。

そんな風に見られるのは恥ずかしいの。

でも、捏ねられ続けたそこに神経が集まってきて、息が荒くなる。
「気持ちいい?」

「ん…」

「いいよ、イッて」

返事の代わりに目を閉じる。
ノアの指に意識を集中すると、一瞬でクリトリスが痺れ、上半身がピクッと丸まった。


指が離れ、続けてペニスが抜かれる。持ち上げられていた足が離されて、やっと地面に両足がついたものの、力が入らずに砂の上にへたりこみそうになった。

なんとかセカンドシートに乗り込むと、反対側からノアが入ってきた。

「ナイショだよ」

結局…黙ったまま下を向いた私は、ズルい。

「ありがとう、カナデの宝物をくれて」
優しくハグされて、そのままノアの胸に顔を寄せた。


ノアの心音と波の音が揃っていくのを聞いていると、やっぱりいたたまれなくなって、名前を呼んでしまった。

「ノア…」
(あのね、本当は、私、昨日ルカと…)

見上げたノアの瞳が冷たい色をしているような気がして、結局何も言えないまま時間が過ぎていった。

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