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Gemini
第21章 現実
[ おはよ ]

和樹のLINEは既読スルーのまま、ルカにそう送った。30秒たっても、1分待っても既読は付かない。

その代わりにノアからLINEが届いた。
[ 俺には? ]

意味が分からず[ ? ]だけ返す。

[ 俺におはよう、は? ]

[ あ、おはよう! ]

[ どうしたの? ]
そう聞かれて、返事に困ってしまった。

[ どうもしないよ ]

[ たまちゃん、今日から仕事でしょ? ]

[ 夜勤だから、夕方からね ]

[ 夕飯一緒にどこか行く? ]
[ 3人で ]

一瞬遅れて届いた[3人]の文字に、心臓がキュッとなった。

ガバッと起き上がって、すぐに返事を返した。
[ 行きたい ]


途端に元気が出てくる。
怖いのに、体もヘトヘトになるのに…今夜もしかしたらと思うと、楽しみでふわふわしてしまう。

ママは仕事に備えてまだ寝てるから、なるべく音を立てないように、昨日回しておいた洗濯物を取り出して、二回目の洗濯をセットする。

リビングに乾いた洗濯物を運んで畳み始める。沖縄の思い出が詰まった一着一着を見てにやけながら。



ママが起きてきたのは、近所のスーパーで簡単な買い物を済ませたあと、もうお昼すぎだった。
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