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Gemini
第21章 現実
「じゃあまた夕方にね」
ノアは、見送りに玄関までついてきた私の頭を撫でた。

「うん…」

ノアを見てられなくて目を伏せた私を引き寄せると、唇が重なった。コーヒーの香りが混じり合うキス。玄関の段差のせいで抱きしめられる角度が「いつも」と違うと感じる。

(それくらい当たり前にキスしてたんだな…)

撫であっていた舌がひとりぼっちになると、つい寂しくてノアの目を見つめてしまう。少し微笑んだノアはもう一度軽く唇を寄せてくれた。

「6時に迎えに来るよ」

「分かった」

「はい、これ」

差し出された手から私の手のひらに無造作に渡されたのは、アヌスに入れるあれだった。
キスでほんのり熱を帯びた体に、ピリッと電気が流れる。

「一人でできる?」

目を閉じて返事する。

「何かあったら俺を呼んで」

「ん…わかっ」
言い終わらないうちにもう一度抱き寄せられた。

「楽しみだね」
ノアのペニスがグリッと押し付けられた。その硬さに怖さを感じつつも、期待して内ももにはギュッと力が入ってしまう。



ノアが出ていったドアに鍵をかける。
手のひらにあるそれを思うだけで、一部分にジンジンと血液の循環を感じてしまう。

ポケットに入れて、ふぅっと息を吐いて…
少し体温を下げてからリビングに戻った。
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