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Gemini
第23章 バランス
「二人も四人も一緒っしょ」
ヒロは凛から目を離さないままで、適当なことを言ってる。

「凛はおじいちゃんち行ったんだよね?」

「そ、岐阜。いつも通りの岐阜でした」

「奏ちゃんは、沖縄だって?良かった?」

「あ、うん、良かったよ!海もすごくキレイだったし」

「水族館も行った?あの有名な…」

「行った行った!」
いまいち何を見たとか細かく言えないけど…

「その割には焼けてないね」
ヒロの鋭いツッコミに、慌てて反論する。
「ひ、日焼け止め…塗ってたし、ちゃんと…」

隣でずっと黙ったままの和樹の様子を視界の隅で窺うけど、表情までは分からなかった。

「はいこれ、いつものだけどね」
中学の時に凛から貰っていらいどハマりした、キャラメル醤油ポップコーンと醤油プリンポップコーン。普段冒険しない私の唯一の冒険とも言える。

「それから、これ、和樹からの預かり物」

「結局ごめん」
その日初めての和樹の声だった。

「いえいえ…こっちこそなんか、ごめんなさい」

「なんか何?気まずいの?ふたり何かあった?」
ヒロが感じたままを口にした途端、凛がヒロの肩をバンッと叩いた。

「お待たせしました」
なんとも言えないタイミングで、店員さんがくる。

「わぁーい、来た来た♪」
凛が頼んでたもりもりのパンケーキと、ヒロのプリン、和樹のアイスコーヒーが届いた。
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