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Gemini
第23章 バランス
和樹のことをいいと思ってたときもあったのに、今の私の中にはもういない。

かといって、好きな人ができたとハッキリ宣言してしまえるほど、ちゃんと好きなのかは分かってない。


今ルカが誰かと付き合ってるとしたら…それは絶対に嫌だけど、じゃあコレが恋愛感情なの?と言われたら、経験値の低すぎる私には判別できない。


自動改札を抜けて、電車に揺られながらもずっと堂々巡りの自問自答を繰り返していた。


玄関の鍵を開けたところでスマホが鳴った。
LINEのメッセージだ。

ノアからの[明日から授業再開で大丈夫?]というメッセージ。
お腹の奥がジュクッと反応した。


「ただいまー」
誰もいない部屋に声をかけて、自分の部屋に入る。

ノアに返事をする前に、凛にメッセージを送ることにした。

[ごめん…あんな感じになっちゃって]

[こっちこそごめんね、ヒロが余計なこと言って]

[大丈夫だった?]
何がどうなら大丈夫なのか、分からないくせにそんな言葉を送った。

[こっちのことは気にしないで🆗奏のパンケーキはヒロが食べたし、お金のことも気にしないで🆗]

[凛にお土産も渡しそびれちゃって]

[勝手にセッティングしてほんとごめん。お土産は学校で貰うよ。始業式の日は二人でデートしよ!]
かわいくないうさぎがちゅぅーっと唇を尖らせてるスタンプがきた。

私もちゅうっと分厚い唇のスタンプを送り返して終わった。
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