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Gemini
第23章 バランス
ー次の日ー

「宿題は?もう終わった?」

ペンケースから赤いボールペンを出しながら、穏やかな声で話すノア。
何も変わってない。むしろ、ホントに何も無かった時に戻ったみたいで、寂しさすら感じてしまう。

「あ、あと、もうちょっと…かな」
まるで初めての頃みたいに、緊張に襲われていた。ちょっとしたノアの動きにも神経が反応して、挙動不審になっている。

夏休みの宿題の中で聞きたかったことと、二学期の予習を少し。あっという間に時間は過ぎてしまった。


「今日はここまでかな。二学期も頑張ろうね」
頭を抱き寄せられて、おでこにキスされた。

「んっ…」
声が出てしまって、顔が赤くなる。

ノアはそのままほっぺにもキスをしてきた。
今度は声が出ないように、ぎゅっと目と唇を閉じる。

「もっと?」
ノアの手が私の頬を包んだ。

「…もっと……」
綺麗な瞳の魔法にかけられた私は、ノアの言葉を繰り返す。

「口開けて」
言われた通りにする。

ノアが伸ばした舌に、私も下を伸ばす。
「はぁぅ…」
舌先が掠めただけで、吐息が漏れてしまう。

唾液が混ざる音がする。

(もっと深く絡めたい…)

ノアの服にしがみつく。


じゅぶっと音を立てて震わされた舌先が、クリトリスみたいにジンジンしてきて、鼻から甘えるみたいな声が出てしまった。
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