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Gemini
第23章 バランス
唇を尖らせたノアがふっと息を吹きかける。

「ふっ…んんっ…」
たったひと吹きで腰がひけるほどに反応してしまう。

「ほーら、前に突き出さないと」
お尻を壁から離して、少しだけ前に出した。

熱い呼気が触れて足の指がきゅっとなる。
でも、もっと出さないとその舌には届かない。

私は手のひらで壁を押して、自分の体を前に突き出した。

ぬるっ

大好きなその感触が触れた。

でも…欲しいのはそこじゃないの。


ちゅうっと何も生えてない肌を吸ったノアが、そのままそこで喋る。

「隠れてるクリトリス、剥き出しにしてあげて」

(それも…自分で…?)
恥ずかしいけどもう我慢できない。

下唇を噛んで、恥ずかしさを押し殺す。

両手を壁から離して、自分のそこへ近づけた。

ノアの口元が意地悪に笑ったのが見えて、一瞬躊躇したけど、それよりも欲しかった。
自分の指とは全然違う気持ちよさをくれる舌のぬめりと、優しい唇に吸われる堪らない快感が。

「あぁ…やらしい…カナデ」

ノアの熱い息が近づいてきたのを感じて、目を閉じた。


その瞬間――
スマホが着信を知らせた。

せっかく近づいたノアの舌が、離れてしまった。

諦めて画面を見るとママからだった。
「もしもし?」

[ ちょっと早く上がれたから、ご飯食べに行こ!]

「あ…うん、いいね」
立ち上がったノアの顔を見上げながら、そう返事をした。

[ もうノアとの勉強終わったでしょ?]

「あ…うん」

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