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Gemini
第25章 バースデー
「はい、そこまで。後ろから答案集めて…」
ふぁあー!
終わったー!
やばーい!
あちこちで声がする。私は言葉も出せないまま、机に伏せていた。
「そんなにやばかったの?」
凛が私の頭を撫でながら、慰めようとしてくれる。
「多分史上最低…記録更新しちゃう」
「結果出る前に残念会開いとく?」
凛の冗談に笑ってはみたものの、微妙な顔になってるなと自覚する。
「今日はホームルーム無し、このまま解散でーす」
試験監督の先生はそう言い残すと教室を出ていった。
(このまま解散?それなら…ルカたちと過ごすバースデー用に新しい服を買いに行こうかな?)
本当にお祝いしてくれるのかと不安になるほど、ふたりからは何の連絡もなかった。でもママは大丈夫大丈夫って繰り返すだけ。
「凛ー」
買い物、凛と一緒に行けるかな?
誘おうとした矢先に、凛はヒロと連絡をとって待ち合わせの相談をし始めていた。
(ま…いいか…)
どうせいつ誰と会うときに着るとか、そんな詳細は話せないんだし…。
凛と一緒に帰り道を歩いていくと、ヒロが駅前で待っていた。
「やほ、元気?」
「あぁ…うん、この間はごめんね」
「こっちも、ごめん」
「も、じゃない。が!」
凛にそう言われて、慌ててヒロがまた謝ってくるから、私も申し訳なくてまた謝る。
でも、よかった。ちゃんと謝れて。
二人とは途中で別れて、一人でお店を覗きに行った。