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Gemini
第1章 家庭教師
<やあぁっ…すごい…ルカぁあっ>

「こんな外まで聞こえるようなことしちゃ
ダメだよねぇ、カナデ」

ノアが優しく耳を両手で塞いでくれたけど、ノアの顔が近すぎて目のやり場に困る。目を開けてるとどこを見ててもノアの顔が視界に入ってくるから、目を伏せて目線を下に向けた。

ノアの香りに包まれたと思ったら、まるでスローモーションみたいにゆっくりと私の唇にノアの唇が重なった。そしてまた、ゆっくり離れていく。

これって…

目を開けてノアの顔を見上げると、もう一回近づいてこようとしてたから慌ててノアの体を押し返した。

「ん?どうしたの?」

「なんで…なんでキ、キ、キスなんか…」

「して欲しいのかなぁと思って…」

「なっ、そんな…」

「嫌だった?」

初キス…嫌だった訳でもないけど…返事に困っていたら、また唇が近づいてくる。そのまま目を閉じると、チュッと音を立てて唇が一瞬重なった。

「…いいの?」

返事の仕方に困った私は、知らないうちにノアの胸に置いてた指でノアの服を掴んでいた。

チュッ…チュッチュッ…チュッ……

何度も唇をチュッと吸われる感触に、私はうっとりしていた。耳を塞いでいたノアの手は顔を掴んで、まるで小鳥が果実を啄むように私の唇の感触を楽しんでいた。

舌先が唇に触れたとき感じたのは、くすぐったさだけではなく、ゾクゾクとした気持ちよさだった。いつの間にか私の頭と腰に回されて、蕩けそうな私の体を支えてくれていた。

「カナデ、舌…出して」

恐る恐る出した舌をジュッと音を立てて吸われると、少しだけノアの唇の中に吸い込まれた。恥ずかしさと気持ちよさにすぐ引っ込めてしまった。
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