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Gemini
第7章 痕跡
「待ってっ…汗かいてるから…」

ノアは少し開かれた胸元にチュッと音を立てて吸い付いた。
「おいしいよ。それにいい匂いがする。」

匂いのことを言われ更に恥ずかしくなって、ギュッと胸の前で腕を組んだ。
「大丈夫。カナデが嫌なことはしないよ」
ノアが体を離して起き上がった。

ずっと優しく微笑みを向けてくれていたのが、一変して、目を見開いた驚きの顔になった。

「あぁ…やっぱり…」
ノアは指先をおでこに当てて、目を閉じた。眉間にシワを寄せて、なんだか辛そうな表情に見える。

「…ノア…?」

そして気づいた。知らない間にスカートが乱れて裾がめくれていたのだ。ハッとしてすぐにスカートを直そうと手を伸ばす。

「ルカだよね?…それとも他の誰か?」
私がウソをつかないかじっと目を見られているような気がした。私は首を横に振るしか出来なかった。

「やっぱりあのときルカといたんだね?」
「……」
「それがカナデの気持ちってこと?」
「違…違うっ…ノア…」

悲しそうなのに綺麗なノアの瞳が潤んだような気がして、私も体を起こした。ノアの手に自分の手を重ねる。ノアに嫌われたくなかった。

「ルカとどんなことをしたのか教えて?」
私はうんと頷いた。

「初めはね、キスされただけだったの」
「唇?」
「最初は膝だったんだけど…」
「膝?こう?」
ノアはベッドに私の膝を片方立てて、そこにチュッと音を立ててキスをした。たったそれだけでふわふわしてきてしまう。

スカートが太ももを滑ってどんどん捲れてくる。私の足がピクピク震えるせいかもしれない。

「こんな奥にまでキスさせたの?」
ノアの指先が内ももをゆっくりとなぞっていく。
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