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Gemini
第7章 痕跡
まるで私を自分のものみたいな態度のルカと、怒って今にも掴みかかりそうなノア。そんな二人に挟まれた私は、完全に動揺してた。

「ノア…あのナナって人、カナデって…」
私はノアの方に少し歩み寄って、一番気になってることを聞きたかった。言葉はめちゃくちゃだったけど、ノアはじっと私の目を見て聞いてくれた。

「そうだよ、ma chérie」
ノアは余裕たっぷりの表情になって、ノアを睨んだ。

「チッ、お前だって…」
「俺だって、なんだよ。言えよ。」
「お前だってカナデの代わりにアイツとやっただろ?」

「…代わりって…なに?」

「こっちおいで」「こっちきて」
同時に言葉を発する辺りが双子って感じがした。
睨み合ってる二人の間にいた私の右腕をルカが、左手をノアがひっぱる。

私は二人からちゃんと話を聞かなきゃいけないと思った。兄弟げんかはその後で勝手にどうぞ、って感じだ。

「分かった。3人でちゃんと話そ。」
「じゃあ俺の部屋で」「じゃあオレの部屋で」

ノアの部屋はダメだ。生々しく制服が脱ぎ捨ててある。ルカが発狂しかねない。
かと言って、ルカの部屋は…。ついさっきまでいかがわしいことをしてた訳で、ちょっと戸惑ってしまう。

「リビングで」
「分かった」

ノアとルカは私を挟むようにして座った。
二人とも私の手に指を絡めてモゾモゾと動かしてくる。反対の手は、私の髪を撫でたり、髪を耳にかけて耳たぶを摘んだり、ほっぺをつついたり…とにかく自分の方がって牽制し合ってるみたいだった。


ルカの手が太ももにのった。自分がつけた跡を確認するみたいに、少しずつシャツを上げていく。

「待って…ちょっと、ルカ」
(その先は…私何も着てないの…)
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