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Gemini
第7章 痕跡
「カナデ…」
ノアの唇がこめかみに触れた。

「ちょっと…話を」
「カナデ…」
ルカは耳を唇で挟んだ。

「待って…ちゃんと…」

ルカの手はシャツに隠れてるとこまで入って、固く閉じた太ももを撫でていた。
ノアの手は…シャツのボタンにかかっていた。

「ダメ、待って」
お願いするようにノアを見る私に、ノアは優しく微笑みながら唇を近づけてきた。

「違うっ、ちょっと」
ルカの方に振り向くと、ルカの唇が私の唇と重なった。唇を舌でなぞって、すぐに舌を入れてきた。

ノアの手はシャツの上から胸を揉みはじめて、ルカの手は恥ずかしいうぶ毛を撫でたり摘んだりしていた。
そしてノアの舌が耳をなぞる頃には、私の舌がルカを迎え入れていた。


(ナナって人…私の代わりって…?)

(どうして代わりがいるの…?)

(ノアもあの人を…カナデって呼ぶの?)

(あの人にもこうやってふたりで…?)

そんなことを考えていられたのは、最初のうちだけだった。

(それ…だめ…)

胸の先端をシャツ越しに爪でカリカリされて、くすぐったいような気持ちいいような…そのむず痒さに膝がぴくぴくと動いてしまう。

ルカに独り占めされていた唇は、ノアに顔の向きを変えられて今度はノアの番になった。

残りひとつで止まっていたシャツは、ルカによって開かれた。胸についたノアのキスマークは十分にルカを熱くさせたし、ルカの舌に吸いついていた私の姿はノアに嫉妬を味わわせるのにあまりあるものだった。

ふたつの舌は前よりもずっと大胆にあちこちを舐めた。邪魔するものは何も身につけていない私は、秘密のところを隠し続けることはできなかった。
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