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アンケートから生まれた Love story
第5章 スコール
……そっか
そういうことか
「……なんだか、誰かに見られていたみたいですね」
先輩の命令は断れないとも言っていた。
本当は彼はあの時1人じゃなくて、聞かれていたのかな。
そうなる経緯も状況も、全然分からないし見当もつかないけど。
「不思議なことに、私も昨日会社で謎の人物から…」
「そうじゃねぇよ」
低い声で、話を途中で遮られた。
後ろの扉に手を付けて
彼はまたは小さく溜息を漏らす。
「あんたは断片的にしか喋らねぇし、俺は他人だし。
実際はどうだったかなんて知る由もない」
「……!」
「関係ないって言っちまえばそれまでだ。
……だけど」
彼の瞳が、私を真っ直ぐ見つめた。
「……悲しいだろ、今」
「……!」
「相手に恋愛感情があったか分からねぇって言ってたな。
でも自分はどうだ?
別れの言葉もなく突然居なくなったら、誰だって傷付くだろ」
「……っ」
「進み続けろって暗示をかけて
自分を誤魔化すみたいな真似してるけど
……あんたは、自分が思ってる以上に苦しいはずだ」