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アンケートから生まれた Love story
第6章 結婚の条件
あぁ、その通り。
肩書きと高給をひけらかして、コミュ力発揮して
激務の憂さ晴らし・気晴らしにする奴はそこら中にいる。
蓮さんなんてのは、特別天然記念物と言っていい。
「海外行ってた」
『聞いた! 酷いよ、エリカには言ってたなんて!』
知ってたのかよ。
つーかエリカって誰。
『ねぇ、とにかく顔見れて嬉しい。
すぐに会いたい。いつ時間作ってくれる?』
「見ての通りまだ会社で、帰れない」
『いいよ遅くても。余裕で待てるよ』
「だから待たないでって」
言ってんじゃん。
期待しても無駄だって。
外資と違って生涯安定企業、なんていうのは
外野が作った勝手な幻想にすぎない。
それに
「あのさ。
俺がここ辞めても、会いたいって思う?」
『えっ!? ……秋、まさか会社辞めるの?』
「だとしたらどうする?」
『無理っ! 超勿体ない!
……あ♪ でも待ってもしかして独立?
フリーランスとか!?』
「………」
『成功すればかなり稼げるって聞くよ~。
それとも関連会社にヘッドハンティングとか!』
……たのしそー。
俺より妄想してくれちゃってるよ。
仮面をかぶって偽ってるだけで
ギリギリで生きてるなんて、思いもしねぇんだろうな。