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アンケートから生まれた Love story
第6章 結婚の条件
── 通話を切る直前、画面の向こうが回転してたから
直接向かい合っていたなら、俺は投げた携帯で殴られていたってことだ。
はい、最低で結構です。
言われてねぇけど、きっとそう思われているだろーな。
余韻に浸ることなく、スマホをポケットにしまうと
「タカ」
ラウンジ内で喫煙エリアを区切る、透明のガラス扉。
呼ばれた方向に振り返ると、腕を組んだ蓮さんが扉を背に立っていた。
「……蓮、さん」
「心配するな、今来たとこ」
「……」
「最後のバイバイしか聞いてない」
最後って言っちゃってるじゃん。
バイバイの前の会話を聞いてたから、その表情なんじゃねぇのかな。
まぁ、この人には何聞かれても全然構わねぇけど。
「すみません、戻ります」
「いや、俺も休憩」
「あ、じゃあ俺出します。なに飲みますか」
蓮さんに並んでコインケースを取り出す。
ポケットの中でスマホが揺れてるけど、もう無視すると決めた。
「お前やめたんじゃなかったか?」
「これ電子タバコです」
「それならここに入らなくていいだろ」
「いやダメですよ、多分」