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第6章 結婚の条件

「で、もうひとつは？」


瀬名さんのサポートを知って、蓮さんが少し不機嫌そうに聞く。

……どちらかというと
今から伝えるこっちの方が、蓮さんの力を発揮できると思う。


「結局、彼女には結婚相手が必要です」

「……えっ？」

「結婚して子供を作って、老後を迎えることが幸せらしいです。
それが普通だと思い込んでるというか……とにかく人生の目的だって」


幸福は人それぞれ違うとは言ったものの、実際に多くの人、特に女性はそう願うのかもしれない。

未婚、ましてやする気もねぇ俺の範疇は超えたから
自分の手でなんとかするよりも、経験者に依頼した方が賢明だと思った。


「蓮さん、紹介者として相手探していただけませんか？」

「それは構わないけど……元婚約者はいいわけ？
結婚の誓いまでして、急に気持ちの切替えなんて出来ないだろ」

「33歳女独身に振り返る余裕は無い、だそうです。
彼女にとって逃げた男は既に過去になってる」

「……あ、そう」