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アンケートから生まれた Love story
第2章 漫画みたいな終わり方・始まり方
奇妙な会話を交わしたけど、目の保養になったし
この人のお陰で、サボらずに会社へ行こうと思うことができた。
「貴重な朝のお時間に
お付き合いくださりありがとうございました」
そう、このまま立ち去るだけ。
それで綺麗におしまい。
……だけど
“ 誰がどう見たって
普通のサラリーマンにしか見えないだろ ”
「……先程のご発言に、一言だけ」
……彼の言葉が、頭の片隅に引っかかってしまった。
どうしてもひとつだけ、最後に伝えておきたい。
「本当にサラリーマンだとしても、誰が見てもあなたは “ 普通 ” では無いですよ」
「……!」
「初対面のあなたのことはご存じありませんが、 “ 普通 ” とは到底思えないのです」
彼もカフェを出ようとするらしく、腕時計を手首に回したけど
私の鬱陶しい訂正を聞いて手を止めた。
「普通というのは、一般・通常・平常・平凡など、平均的に広く通用することです。
それだけの容姿をお持ちのあなたは、平均以上の魅力で溢れています」
「……」
「私のように、捻くれていちいち言葉を拾う面倒な女もいますから
普通という単語は、あまりお使いにならないほうがよろしいかと……」
「……」
「……個人的な、意見です。
ご清聴ありがとうございました」