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アンケートから生まれた Love story
第2章 漫画みたいな終わり方・始まり方
ド・ン・引・き、ってところかしら。
母親の嫌なところを全部遺伝として引き継いでしまったのね。
一言どころか二言三言多い性格も
言った後に後悔するヘタレも、本当は直したいのに。
「では、私はこれで…」
「あんたの言う “ 普通 ” は、電話やメールが繋がること?」
椅子から立ち上がろうとした私を、今度は彼の声によって静止させられる。
「こんな公の場で個人通帳を広げるのは不用心だ」
「……!」
「いくらその口座の金を、元婚約者に奪われたとしても」
さっきとは少し違う低い声。
思いっきり振り返ったけど、彼は視線を手元に向けたまま。
「確かに、結婚詐欺に合う確率は平均的には少ないかもしれないけど。
分からねぇよ?」
「……!!」
「実際の被害者数は統計より多いかもしれない」
口があんぐり空いた私。
カバンにしまい終わった彼は私を見上げて、微笑んだ。
「俺のように
実は独り言を隣りで聞いていたっていう、あざとい男もいますから
固定観念を人にぶつけないほうがよろしいかと思います」
「……」
「一般論です。
以上、ご清聴ありがとう」