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アンケートから生まれた Love story
第7章 間違ってないよ
そのまま帰れるように、勤怠システムで退勤を打刻して
バッグを持ってエレベーターに乗った。
社長室や幹部関係、特別な応接室がある最上階。
デスクワークで外部との商談も皆無な私は、初めて踏み入れるフロアだ。
「……間に合うかしら」
間に合うよね。
大丈夫、まだ時間に余裕があるし。
スマホをチラチラ見ながら呟いたけど、やっぱり早く行きたい。
到着したエレベーターの扉が開いて、前のめりで足を踏み出した。
「神楽!!」
「~~わわっ!」
ぶつかりそうなくらい、すぐ近くにいらっしゃったので逆に仰け反る。
フロアには予想以上の大人数が集まっていて
その中心から現れた、しゃがれ声の渋いムッシュ。
今年喜寿となるCEOの笑顔は、私が入社した当初から変わらない。
「此処に来て会うのは初めてだなー。元気かい?」
「はい。ご無沙汰しております」
異動前に在籍していた経営管理室でも、こんな感じでフランクに話しかけてくれていたけど
当時を知らない、幹部や社員たちが驚きの視線を向けてくる。
そうよね、いきなりこんな平社員が呼ばれたらびっくりするよね……
……と、周りを見渡した
その時だった。