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アンケートから生まれた Love story
第7章 間違ってないよ
「アホ! 俺の名を出・す・ん・じゃ・ねぇ…!!」
って叫んだ彼の声は、周りを気にして小声だけど
毎年健康診断の聴力A判定の私に、確かにその声は届いた。
……先週の金曜日
内線がかかってきた電話と同じ、イケメンボイス……
「姫宮さん、優秀なアシスタントの私をアホと仰いましたか?」
「〜〜いいから俺を呼ぶなっつーの…」
「え? それなら君の名は?」
「ふざけてんじゃねぇ!」
漫才をしているようにしか見えない、美男美女。
クールビューティーな女性の傍らで、私のガン見から逃れようとする彼。
首から同じナンバーカードを下げているし
ここに居る時点で、間違いない。
……入学当時から、ひときわ異彩を放っていた。
もう11年も前の光景を、こんなにも鮮明に思い出せる程目立つのに
‟ カリスマMD、うちの会社至上ナンバーワンの男よ♡ ”
・・・まさかの、同じ会社……!?