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アンケートから生まれた Love story
第7章 間違ってないよ
「……あの、タカくん」
港側へと続く、鉄道廃線跡を利用したウッドデッキの橋。
金曜の夜を楽しむ多くのカップルが、楽しそうに行き来しているけど
……1時間前の出来事を、ここで話さずにはいられない。
「ちょっと聞いてもいいかな」
私の歩幅に合わせて進んでくれている彼に、恐る恐る切り出してみる。
「どうぞ」
「……姫宮という男性を知ってる?」
「え? なに?」
「姫宮、蓮……です」
‟ 駅前のカフェで、会って具体的な相談に乗ってもらう日だって聞いてる ”
‟ 大丈夫、詳しい話は聞いてねぇから。怖がらせたいわけじゃねぇんだ”
……今思い出しても、どこに大丈夫な要素があるというのだ。
昔から顔が広そうだとは思っていたけど、こんなにも近い所にいるなんてことがある?
「……ひめみや れん」
私があまりにも食いついた顔をしているから
名前を繰り返した後、タカ君は足を止めた。
「さぁ? どんな奴?」
「髪は茶髪で……今はだいぶ落ち着いてたけど。
当時は、口が悪くてチャラチャラした遊び人と言われていました」
「当時?」
「だけど、センス抜群でキラキラしてて
……本当はきっと優しい人」