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アンケートから生まれた Love story
第7章 間違ってないよ
「パパー!」
── 私の後ろから
耳を貫く、一際大きな高い声。
そして
「こらっ! 危ないから走らない!」
パタパタと近付いてくる早い足音に続いて
女性の声が響いた。
「……っ」
全身が硬直して、声が出ない。
立ち上がることも出来ないから、そっと視線を上げると
スマホを手にしたまま
2人の声がした方向を見て、タカくんもその場に立ち尽くしている。
「パパ! こんばんはーー!」
無邪気で明るい声が、すぐ後ろから聞こえてくる。
ぴょんぴょんと飛び跳ねる音で……小さな女の子だということも想像出来てしまう。
「ママの言うこと聞いて。危ないだろ?」
「……っ」
「周りは暗いから、ちゃんと手を繋がなきゃ」
その柔らかい声は紛れもなく
2週間前まで、私と
……ただいまと、お帰りなさいを交わしていた婚約者の声だった。