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アンケートから生まれた Love story
第7章 間違ってないよ
膝からぴょんっと飛び降りて
お菓子を手にした女の子が、私とタカくんの前に立った。
「……っ」
キラキラした大きな目。
丸い頬を上げて、ニコニコと交互に見つめられる。
……何も知らない、無垢で純粋な瞳……
「……なんか言えよ」
一瞬沈黙を作ったタカくんだけど、再び視線を彼に向けた。
「また騙して、逃げられると思ってるわけ?」
「……っ」
「今、録音してる。さっきの会話も…」
「タカくん…っ」
スマホを持ってあげようとした手を、ギュッと掴んで
急いで椅子から立ち上がった。
……この手を掴んでいないと
倒れてしまいそうになるほど、足に力が入らない。
「……しえりさん」
小さな声で私の名を呼ぶタカくん。
さっきまでジョークを言ってくれたその顔に、笑みは無かった。
「萌々、こっちに来なさい」
女の子を呼んで、自分の足元に引き寄せた女性。
……その表情も戸惑いに満ちていて
私と同じように
当たり前だと思っていた日常が違ったのだと、気付いたのかもしれない。
……だけど……