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アンケートから生まれた Love story
第7章 間違ってないよ
「バカみたい」
「……!」
「帰ります」
帰るって言ったけど、方向感覚が狂っているようで
駅とは逆側、港のある海の方へ私の足は歩き始めた。
傍から見たら、なんだろう私。
悲劇のヒロイン?
ヒロインって言っていいのは20代まで?
「……笑えない」
空しい独り言は言いたくないけど
2週間前の衝撃に加えて、さらに強いカウンターを喰らってしまった。
結婚する為に付き合った彼が詐欺師で
大金を持逃げされて
新たな家族を築く場面を目撃して
……ねぇ、これって
事実を知らない方がよかったんじゃない?
相手が消息不明のまま終わらせていれば
消えたお金は諦めて、次に進んでいたら
こうしていれば
そうしていたら……
「……っ」
── どこから間違えた?
どの辺りからやり直すべきだった?
時間は沢山あったのに、一体何をしていたのだろう
もし、私が正しい判断を出来ていたのなら……