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アンケートから生まれた Love story
第7章 間違ってないよ
「……羨ましいって思ったの。
きっと彼らが、私の目指す理想そのものだから」
「……!」
「思い描いていた、家族の形に見えた」
聞こえてきた会話から、本当の親子じゃないことは察しがついた。
だけど
小さなお姫様と一緒に、結婚式の準備をして
周りから祝福されて、光り輝く日々を送る未来までも
会話を聞いて、頭の中で想像できてしまうくらい
たった数分の間に、見せつけられた気がした。
「あの女性もまさに私の憧れ……そのものなの」
トートバック
ラフな服装に、履きなれたスニーカー
凄く素敵な女性だった。
彼と並んだ時に、とても自然で似合っていた。
小さな幸せが、そこら中に散りばめられていて
こんなに美しい夜景も、ムードある雰囲気も
全てが霞んでしまいそうなほど、私には彼らがキラキラと輝いて見えたんだ。
「1人の自分が虚しくなる程、羨ましかった」
「………」
「寧ろありがとうって言いそうになっちゃった。
私が求める幸せを、見せてくれたから」
目の奥が熱くなってきたけど、必死に堪える。
だって、今の私めちゃくちゃ恥ずかしい。
こんなにも屈辱的なのに、こんな風にしか考えられない。
「……普通に、なりたいのに……」