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アンケートから生まれた Love story
第7章 間違ってないよ
── 次の瞬間
「……!」
滲んでいた目の前の景色が、急に真っ暗になった。
体全体を優しい力で包まれて、ふわっと彼の香りが広がる。
「……タカくん」
一度とならず、二度までも
「これも、ミス?」
「………」
「それともサービス?」
驚きよりも心地良さの方が勝ってしまったから
引き締まった胸に、体を預けたままそう聞いてみた。
「……言っただろ。
同情心なんかで、抱きしめてるわけじゃない」
さらにぎゅっと引き寄せられて、胸が苦しい。
……だけど優しくて
強いのに、優しくて
どうしようもなく切なさが溢れてくる。
「あの男とどのくらい一緒に居たんだっけ」
「……2年…」
「そっか。頑張ったな」
じわっと、目頭が熱くなる。
……頑張ってなんかないよ。
もっと早く気付けば、こんなことにはならなかった。
私は……
「頑張ったんだ、しえりさん。
あんたの優しさに、あの男も親子も救われた」
「……!」
「誰がなんて言おうと、俺は味方だから。
間違ってないよ」
「……っ」
「大丈夫。間違ってなんかない」