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アンケートから生まれた Love story
第7章 間違ってないよ
離さないって言われて、こんなにも密着して
ドキドキしないわけがない。
だけどもう、本当に限界なの。
優しいこの人に、これ以上の醜態を晒すなんて耐えきれない。
「こんなトラブルしかない地雷女に、なぜそこまでボランティア精神を…」
「だから違うっつってんだろ!」
肩をぐっと掴まれて、体を離される。
「つーか知らねぇよ、俺だって」
「……!」
「正直、面倒なことに巻き込まれたって思ったよ。
早々に切りをつけて終わりにするべきだった。
分かってる」
はーっと息を吐いて、タカくんはすぐ後ろのフェンスに凭れ掛かった。
「なのに……俺は
2週間前に声を掛けられてからずっと、結局あんたのことばっかり考えてる」
「……っ」
「今日も、こうしている今も
どうしたらしえりさんの心が軽くなるかって
どんな方法で助けられるのか……それしかない」
……どうしよう
胸がいっぱいで、言葉にならない。
夜景を背にした彼も、何もかもが輝いて見える。
「綺麗事は嫌いだし、正義を演じる気もない。
……だけど」
再び差し出された、優しい手。
「泣くなよ。
泣いてもいいけど
……俺の居ないところで、泣くな」