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アンケートから生まれた Love story
第2章 漫画みたいな終わり方・始まり方
……言った後に
自分の唇を、なぜ噛みしめたのだろう。
こうしている間にもどんどん時間は過ぎていくのだから、止まるわけにはいかないのに。
……赤の他人に話したところで、何も変わらない。
この人も、人生に必要のない時間を与えられてさぞかし迷惑だっただろう。
「では、今度こそ本当にさようなら…」
「あのさ」
また!?
今度こそさようならというワードを使ってしまったのに、次はどうすればいいの……
「進む為に、止まらなきゃいけない時もあるぜ」
「……!」
「誰に指示されて、なんでそんなに生き急いでるのか知らねぇけど。
遠回りが最短の近道になることもあるって、よく言うだろ」
優しさが滲む、その声に
一瞬で動きを封じられる。
「いいんじゃねぇの。
留まって、引き返して、時には脇道に逸れてみても」
スーツケースを手に取って、立ち上がった彼。
ふっと笑ったその表情に目を奪われた。
「俺は今あんたと話せたこの時間を、無駄だとも迷惑だとも思ってないよ」
「……っ」
「では、今度の今度こそさようなら」