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アンケートから生まれた Love story
第2章 漫画みたいな終わり方・始まり方
── 何かの衝撃を受けた心臓が、ドキドキと音を立て始める。
ドキドキどころかバクバクと激しく波打っていて
立ち去る彼の姿が、映画のようなスローモーションで見えてしまう。
「……!」
彼が歩き始めた方向は、私の会社と逆側。
駅を隔てた東側は、系列の大企業が連なる区域。
超エリート軍団の一員であることに間違いはなさそう。
「……あ、あの…」
え?
まさか私、追いかけようとしてる?
ダメよ、これ以上醜態を晒すわけにはいかないし
今度の今度こそさようならって言われた人に、なんて失礼な行動を……
‟ 無駄だとも迷惑だとも思ってない ”
「……っ ま、待って…!」
初夏の太陽、街路樹の木漏れ日が照らす歩道
彼の背中に向かって叫んだ私
スーツケースを転がす音と、足音が止まると
1メートル先で彼が振り返った。