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アンケートから生まれた Love story
第8章 2人の夜と、秘密
── 胸がキュンと締め付けられて、甘くて苦しい。
やっぱり、本当に魔法遣いなのかもしれない。
「……ん…」
指先で頬を撫でられて
触れるか触れないかの優しさで、そっとキスが落とされた。
「……っ」
目を閉じると感覚が研ぎ澄まされて
彼の手に自分の手を重ねて、ただただ温もりを感じる。
「しえり……さん」
また元の呼び名に戻って、彼が私の手を握った。
「いいかげんな気持ちで、こんなことしていない」
「……!」
「あまりの早さに若干戸惑ってるのも確かだけど」
柔らかい前髪の奥の、深い瞳。
重なった手を見つめて、彼は静かに続ける。
「あんたに惹かれている今の気持ちが
衝動や一時的な感情からくるものじゃないと思うから」
「……!」
「だからこそ、今ここで言った方がいいんだ。
これ以上、俺がしえりさんに惚れることがないように」
……えっ……?