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アンケートから生まれた Love story
第8章 2人の夜と、秘密
「……悪い」
手を離して、タカくんは小さく首を振る。
「婚約者とあんなことあって、まだこんな早朝で
頭まわらねぇよな」
「……!」
「ここを出て、あんたが落ち着いてからでも…」
「ううん、大丈夫」
甘い雰囲気をこのまま続けたい、という気持ちもあるけど
誤魔化さず、流さずに向き合ってくれている彼には好感しかない。
……惹かれているのは、きっと私の方だから……
「話して?」
再び手を取って促すと
ちょっと考えるようにした彼は、困ったように笑った。
……その表情だけで、胸がきゅうってなる。
「……タカくん…」
「 ‟ 結婚して、子供を授かって
老後を迎えることが幸せ ” 」
「……!」
「あんた言ってただろ、昨日も。
婚約者の親子を見て、憧れそのものだったって」
そこまで言ったあと
タカくんの顔から、笑みが消えた。
「俺は
過去一度だって、そんな理想を描いたことはない」
「……!」
「誰とも結婚しないって決めてる。
これからもずっと
……自分に誓ったんだ」